【6】カラクリづかい人形 Karakuri Puppet

藤原玄洋(日本ウニマ事務局)

 ゼンマイや水の力を利用して動く、自動カラクリ人形(オートマータ)が、古くからあった。

 一方、各地のお祭りの山車の上で演じられる、高山などが有名な山車カラクリ人形がある。

 これらは、実際はたくさんの人が裏で人形を操作しているのだが、人形がまるで自分だけで 
 動いているように見えるように工夫された人形である。                 

 このような糸や操作棒が、直接見えない形で、歯車や、滑車など機械的な構造を使って操作 
 される人形を、カラクリづかい人形として分類した。従来は単にカラクリ人形と呼ばれてい 
 たが、自動人形と区別し、人があやつる人形として分類するための用語として造語した。  

 最近では、コンピューター技術と、超といえる精密機械技術を合わせて作られた、SFXの中で
 活躍する人形たちも、このカラクリづかい人形に分類される。              
 アメリカではこのような人形をアニマトロニクスという呼称で、急速に発達していていて、 
 多くの人形つかいたちが、これらの仕事に参加している。強調しておきたいのは、人形操者の
 巧みなマニュピレーションの上に、なり立つ人形であるということであって、単なる自動機械
 ではないということである。                             

 いずれにしても、本格的なカラクリ人形は、ある程度の工学的な緻密さで人形の操作法を保証  
 しなければならないので、本格的なものを作って、演じることはなかなかむつかしい。     

 けれども、簡単なものであっても、工夫すれば舞台に使うことができる。例えば、動かなかった 
 お地蔵さんの人形が、糸で引っ張ることにより、突然まばたきしたり、口だけパクパクして通行人
 に話しかけことで、モノだと思っているお地蔵さんに、生きていると観客に感じさせる、大きな 
 効果をねらえる。このような簡単な人形であれば、舞台に登場させることは可能である。    

 何よりも、人間が動かしているということを感じさせないのが特長だから、舞台空間の中で、  
 劇的効果を盛り上げる演出が。いろいろ考えられるので、工夫してみるとよい。        


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